ジェンダー&セックスチャート

私にとってトランスジェンダーとは「社会改革」でもないし「社会運動」でもない。では何だろう?というのが今日のテーマ。

図書館で『LGBTQ運動の歴史』(マシュー•トッド著 原書房 2022年)を借りてさらりと読みしました。本書はLGBTQにまつわる文学や音楽、アートや映画を紹介しつつ、暴動やデモの歴史、逮捕や投獄の暗黒時代、人々の差別や憎悪などをいっさいがっさいまとめています。ざっと歴史を知るには手頃です。

本書を読めばLGBTQはいわば社会の底辺に属する人々なので、改革や運動が必要なのだとわかります。存在を認めてもらうことに始まり、法律を変えて改性や改名や、結婚や子供を持つことなど、これまで世界で大変な苦労がありました。日常でもトイレひとつとってもトランスジェンダーは困るわけですから。

ただ社会運動はどうも自分の範疇ではないように思っています。LGBTQが住みやすい社会づくりは議員や活動家にお願いしたい。私は自分がどうしてトランスジェンダーになろうとしているのか?人はどうしてトランスジェンダーになるのか?に興味があります。

アメリカのトランスジェンダーで作家のケイト•ボーンスタインの『My Gender Workbook』には興味深い図が掲載されています。日本語に訳してここに紹介します。

「ジェンダー&セックスチャート」はジェンダーとセックスの違いをまとめた図です。ジェンダーとは「男か女か」など生物学的、心理学的、社会学的に性差を区分するものです。社会での男と女の役割、自身の性別の一致という流れがあります。一方セックスとは愛し合うことですけど、これはどのようにするか、誰とするかという流れになります。

これでわかるのが、LGBTQの中のトランスジェンダーは、主に左側のジェンダーに入り、ゲイやレズビアンやバイセクシャルは、主に右側のセックスに入ること。もちろんトランスジェンダーでもセックスの問題はあるし、ゲイでもトランスジェンダーがいるので、そのあたりはぼやっとしている、というふうに思ってください。しかしざっくりこう言えるのではないでしょうか。

ゲイやレズビアンやバイセクシャルとは「いかにだれを好きになるか」を問題とし、トランスジェンダーは「いかに自分を好きになるか」を問題としている。

前者は、同性を好きになるという性的志向に悩んだり、カミングアウトして胸をはって生きます。後者は、自分の中の性の不一致に悩み、自分が嫌いで、それを正そうとして反対の性になろうとします。かなり違う。LBGTQというひとつの用語にすることの功罪がここにあります。

このチャートからスタートすれば、なぜトランスジェンダーはトランスジェンダーになるのか?という問題解決へ進めるのではないかと思っています。

まずセックスはどうしたいのか?女になるトランスジェンダーは性欲を失う方向にあるのです。あるいはセックス自体を変容させたいのでしょうか。もうひとつは「みてくれ」というテーマ。トランスジェンダーになるということは、私にとってはみてくれを変えることが大きなシェアを占めます。

みてくれを変えたい、それは何のため?どうして変えたいの?だれかのためなの?自分のなかの別の性が命じるの?その命令はどこからくるの?みてくれを変えなくてもいいトランスジェンダーもいます。どうして変えなくてもいいの?何をトランスするの?

このテーマを突き詰めていきたいと思っています。

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