男だか女だかわかんないな!

今週初めて仕事でお目にかかる方がいるので、経歴を書き出した。

1960年東京都茗荷谷生まれ、雑司が谷育ち
「ぼくってなに?」を問うた孤独な青春を送り、
執筆を志すも挫折、海外へ答えの出ない旅をした。
就職、転職そして独立、結婚そして離婚と
ずっと人生のエッジを歩んできた。
カンレキになってようやく気づいた。
問いかけがまちがっていたとー
「わたしってなに?」だった。
ほんとうの自分を解放し、小さな自己愛を育て、
生きることが楽になりました。

おもしろがってくれればいいのですけど、さていかに。

ここ数日、アメリカのトランスジェンダー作家Jennifer Boylanの自伝を読み出して、あらためて自分のなかの「女の芽」を考えている。母の遺した母子手帳には、私が生まれる前後の雑記がある。産前の診察でサイズも小さいので女の子だろうと思われた。ところがとりあげたお産婆さんは男の子だという。母は脱力してこう云った。

あー、つまんない。

それから19年ほど後の真冬のある日、私は北海道を一人旅していた。函館の外人墓地は吹雪いていた。私はコートのフードをぐいっとかむって歩いた。雪道を前から男性がやってきた。すれ違いざま、男性は私に聞こえるように云った。

男だか女だかわかんないな!

フードで顔の輪郭がかくれたせいでそう言われたのだろう。だが女と言われた私は、うれしかった。そのシーンをその感情と共に思い出した。たぶん私の脳裏には、中学生時代から親しんできた中原中也の帽子をかむった写真があった。中性的な詩人への憧れは文字だけではなく姿もあった。

「ぼくってなに?」は「わたしってなに?」になって日が浅いけれども、あちこちつついてみて、出てくる「女の芽」をつなぎ合わせています。

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