しそ昆布の謎

日曜日の午前中のことである。ある突貫仕事がおおむね終わって、スーパーに買い物にとアパートの部屋の外に出た。もちろん女性の姿である。ノブを回すとカサカサと音がするじゃないですか。見ればコンビニのビニール袋が下がっている。

おや?しそ昆布…

ビニール袋のなかにしそ昆布が入っていた。北海道産昆布使用、特選しそ昆布の包装にはなぜか「九州のごちそう」とある。製造元は「佃煮•地産地消のイケダ食品」とある。会社所在地は熊本県熊本市だ。地産地消が聞いてあきれる。しかもずっしり500g。ビニール袋にはそれっきりでメモも何もない。

さてはあやつが。

こういう形でやりとりがある心当たりある人に、買い物から帰宅後LINEで連絡をつけた。「どうもありがとう〜」と書く「?」という返信があった。いやしそ昆布のことだよ、と書くと「??」、違うというのだ。んじゃ誰だ?と聞いても「???」と返された。

ひょっとしたらあやつが…?

理由があって近くにいる娘の顔が浮かんだ。連絡もなく時々現れる娘である。連絡もなく現れもしないもう一人の娘よりはずっとマシだが、来るなら来ると言えばいいのに、と久しぶりにメッセージを送った。「来たのか?」と。だがなしのつぶて。不肖の親だから無視されたか…まあいい。それよりも私は突貫仕事のせいでへとへとに疲れて、夜は早々に就寝した。今朝早朝に携帯を見ると返信があった。

行ってないです!

最後の「!」には「行くもんか」という言外の意味を汲み取ったのは私の自意識過剰だろうか。ともあれちがうという。私はしそ昆布をますます睨みつけた。突貫仕事を関係者にメールしたのち、買い物に出かけた。明日からの隠遁のために食料調達である。帰宅して自転車を置いていると、階下の住人とすれ違った。普通に挨拶をした。しかしながら女の格好でちゃんと挨拶したことは初めて。まあいいやと思いながら、待てよ…

ひょっとして、あの住人が私のトランスのリサーチでしそ昆布を使ったのだろうか?

いやいや邪念、邪想、邪推、疑心暗鬼に過ぎない。それとも部屋間違いだろうか。正月には会ったが絶対に来やしない息子にもメールをすると、自分じゃないwと返信ありけり。結局、しその謎は深まりけり。おそらく後日談を書く前に食べてしまうだろう…

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