女になる痛み

Newton別冊を読むと、男と女の作られ方や染色体の違い、それぞれの特徴などが科学的にわかる。男の染色体Yが遺伝するものは少なく、将来なくなるのではないかという説も興味深い。そして最後の章では「性は何のために存在するのか?」と問いかけがある。

生命の誕生とは遺伝子の混ぜ合わせである。混ぜ合わせる過程で男性女性が分かれる。その理由は、環境への適応を高めるため、有害な突然変異を取り除くため、そして細菌やウイルスから逃れるためなどの説があるという。

しかし、私が思う性のある理由は、生きることを楽しむためである。

男と女がいるから恋があり、別れがあり、憧れも欲望もある。なかなか分かり合えないし、理解が及ばず事件も起きる。嬉しいことばかりじゃないけれども、性がない世の中は退屈である。いや同性でもできるよとLGB(レズ、ゲイ、バイセクシャル)に言われると答えに窮するが、少なくとも性を越えようとするT(トランスジェンダー)にとっては、両方の性を知るのは大いなる楽しい冒険である。

けれども痛みもたくさんある。

身体的な痛みについて書いておこう。今日は胸である。男が女性ホルモンであるエストロゲン補充療法すると作用はいくつかある。

尻に脂肪が付く(でしょう)
勃起とオーガズムを得られなくなる(でしょう)
筋力は低下する(のは確実)
乳房は「気持ち、大きくなる」(個人差がある)
体毛・ヒゲの成長が弱まり薄くなる(ほぼ確実)

早期の作用は胸である。服薬開始の翌週から痛痒さがある。3週目から内的な突き上げ感を感じた。ジェンダークリニックの看護師さんに聞いた。

「どのくらい大きくなるんでしょう?」
「ひとによるみたいですよ」
「雪見だいふくくらい?」
「(笑)それよりは大きくなるわよ」

4週目をすぎると膨らみを感じた。何より先端が擦れると痛い。5週目、別の看護師さんに膨らんできました、お祝いにお赤飯を炊きましたと言ったらゲラゲラ笑われた。しかしすぐ真顔になって助言をくれた。

「形が崩れるからブラをした方がいいわよ」

ナイトブラという世界を知った。夜、バストの形を崩さないようにブラをして寝る。これまでスポーツブラをして、パッドを入れてフェイクバストを作っていた。リアルになれば下着も変えなければならない。これまで揃えた下着は何枚も無駄になった…

ナイトブラは下から横から締め上げて形を整えるもので、夜だけでなく日中も装着する人も多いという。Sさんは「Viage」というブランドを教えてくれた。400万枚売るベストセラーで、類似品を圧倒するシェアだ。機能だけでなく販売元の会社情報、ベンチャーポリシーまで調べ抜いたのは職業的好奇心である。

今、小さな胸を膨らませて、品物が届くのを待っている。痛みは胸ばかりでなくお財布に及んでいる。次回は喉の痛みについて書こう。

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